ピンチはチャンス

掲載日:2023.06.09

「異次元の少子化対策」とまた大風呂敷を広げたものの、その財源すら示さない政府の姿勢に失望感が広がっています。しかし考えなければいけない事は、今からどんな少子化対策をやろうと、過去30年の無策の結果、2050年までに人口は今から2割以上減り、そして働き手世代は何と3割以上も減ると言う現実は変えられないということです。先日稲毛駅でビラを配っていたら、羽田空港への高速バスの本数が減って困っているとご相談を受けました。調べてみると、その原因は利用者不足ではなく運転手不足。また最近飲食店の入り口に「スタッフ不足のためにサービスが遅くなります」と言う趣旨の張り紙を時々見かけます。もう足元から働き手不足の現実は始まっています。
 その昔「オイルショック」と言う言葉を覚えておられる方も多いと思います。資源を海外に頼る日本がパニックに陥った時代です。しかし、我が国はそのピンチをチャンスに変えて、省エネカーなどで世界を席巻しました。
 今まさにその同じチャンスが来ていると思います。人手不足はピンチです。そして今だからこそスマート農業のようにあらゆる産業にITやAIやロボットの活用を極め、そして外国人にも活躍の場を広げ、そして日本の最低賃金も、かつて英国や韓国が行ったように、先進国の最低水準の1500円(現在は全国加重平均で961円)を早期に計画的に実現せねばなりません。
 これから2050年に向かう日本には、人口減少や国力の衰退で、ややもすると憂鬱なニュースが増えるかもしれません。しかしその同じ時代に、かつてのオイルショックのように、人々の意識転換と産業の構造転換とが同時に進み、多様性のある社会が広がり、そして給料が上がっていく喜びが実現できるはずです。いや、そういう日本になれるようにしなければなりません。私もその先頭に立って引き続き微力を尽くして参ります。

たじま要

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