【現地本部長日記】「除染は子どもの家から」
掲載日:2011.08.07
昨日は郡山市において、細野大臣、松下副大臣らとともに緊急時避難準備区域等に関わる被災した12自治体の首長さん、議長さんらとの会議に出席しました。ステップ1の終了、安全性の評価が終わり、いよいよ緊急時避難準備区域の「解除」に向けた具体的な話し合いのスタートです。当該市町村が中心となって地域の復旧計画を策定していただき、政府が解除を行った時点からその計画を実施し、住民の「帰還」が始まる、という流れになります。政府の「解除」は一斉に、そして住民の帰還は自治体ごとに、行われることになります。
復旧計画の柱のひとつが、除染です。この除染はこれまでも何度か関連の日記に書かせていただきました。自治体それぞれが今、専門家や企業と組んで試行錯誤、挑戦を行っています。浪江町のような警戒区域内の自治体も、区域外の福島市や伊達市も取り組んでいます。それらからの知見を集め、民間の力や地域住民・ボランティアの力を最大限引き出すかたちで、強力に徹底的な除染を遂行しなければなりません。
一つ、私が常に訴えていることは、除染の優先順位です。除染は、放射能に感受性が10倍高いと言われている、子どもたち、妊婦さんの住んでいるお宅を最優先にすべき、ということです。同じ考えに基づいて学校はかなり除染が進んでいます。今や、町で最も安全なのは学校だ、とまで言われ始めています。しかし、その後、通学路の除染とか、公園の除染とかがよく話題になるのですが、そこはちょっと違う。通学路や公園は、たとえ線量が高くとも、そこに住んでいる子どもはいません。被ばく量は年間の積算です。長時間、子どもたちや妊婦が日々過ごす場所は、間違いなく家の中です。しかも殆どの家は木造です。木造では線量は屋内でも4割にしか落ちません。除染はまず子どもや妊婦さんのいるお宅から、です。子どもにとって安心になれば、全ての人々にとって安心となるのです。
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