メガソーラー問題

掲載日:2025.10.14

登山家の野口健さんらの著名人によるSNS発信を契機として、いわゆる釧路湿原メガソーラー問題が多くの方々の知るところとなりました。私も、長らく日本のエネルギー政策に取り組む者の1人として、9月19日にはこのテーマでテレビ出演をし、また9月26日には釧路の現地を視察させていただき、釧路市役所とも面談をさせていただきました。率直な感想を申し上げさせていただければ、野口さん同様、「こんなことが許されていいのか!」と言う思いであります。
 
日本は現時点で再生可能エネルギーの普及が最も遅れてしまった先進国の1つであり、地球温暖化がより一層深刻になる中、また原発などの大規模集中電源が安全保障上のリスクを抱える中、分散型で地域それぞれの自然を活用した再エネの普及は日本の最重要課題の1つでもあります。しかし現状は、残念ながらこの釧路のような環境破壊を伴う事例が後を絶たず、いわばすべての再エネが批判をされるような「悪貨が良貨を駆逐する」最悪の状況に陥っています。
 
私たち立憲民主党は、著しい環境破壊を伴うメガソーラーは原則として今後一切認めないと言う基本政策を掲げております。ではどうやって重要な再エネを普及させるか?東京都が始めているような屋根上あるいはカーポート上のソーラーは近い将来スタンダードなものとなっていくでしょう。工場やオフィスビル、駐車場の上はもちろん、高速道路や線路の脇のスペースも環境破壊なくソーラーを広げるポテンシャルがあります。また、全国各地で先進的な農業の展開をする方々が田畑の上の空間にソーラーを設置することにより、食料自給率アップとエネルギー自給率アップの一石二鳥を実現しているケースもたくさんあります。要するに、山の木を伐採して無理矢理斜面にソーラーパネルを貼り付けたり、国立公園近辺で多くの人々が自然を楽しみたい場所におぞましい風景を広げたり、そういう形でのメガソーラーは、この日本には全く必要ないのです。
 
「ゾーニング」と言う、地域の土地を場所毎にしっかりと区分をし、特定の区分には明確に利用制限をかける。そんな伝統が根付いているドイツでは日本のような自然破壊型のメガソーラーの問題は聞いたことがないと現地でも言われました。彼我の差を感じないわけにはいられません。今からでもしっかりとこのゾーニングも行って地域の方々が歓迎しない誤ったメガソーラーの拡大を止めたいと思います。そしてもちろん地熱や小水力などのそれぞれの地域の未利用の再エネも広げて参ります。
 

令和七年九月吉日

たじま要

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