地球沸騰と円安

掲載日:2023.10.16

 過去最も厳しい暑さとなった長い夏もようやく終わり、今度は急に明け方など寒く感じるような季節となりました。涼しくなってやれやれですが、「極端から極端」も、おそらく「地球沸騰」の特徴なのでしょう。皆さんもくれぐれもご自愛ください。

 今年は、地域の敬老会も随分と復活し、私もたくさんお祝いに駆けつけさせていただきました。小学校の体育館で開催されたケースも多く、夏のような暑さ(9月中旬はそうでした)の中、参加された方々の多くは団扇や扇子をパタパタされていました。気になって、文科省から情報を取ったところ、千葉市の公立小中学校の体育館のエアコン設置率はなんと0%、教室よりも後回しになってしまうのはやむを得ないかも知れませんが、災害時避難所の役割も期待されることから、やはりこれからの暑さを考えると体育館にも暑さ対策は必要です(ちなみに市川市は70%以上に設置)。

 私たちの食生活にも「地球沸騰」が及んできています。水揚げ量日本一の銚子漁港で、昨年1950年以降で初めてさんまの漁獲量がゼロになったと言うのです。海水温の上昇を嫌い、さんまが北海道などに逃げてしまう、そして北海道にいた魚はロシアに行ってしまうと言うような話です。古来、海産物に恵まれてきた私たち日本人の食生活が脅かされていると言って過言ではありません。加えて、昨今の円安により、海外消費地に買い負けることも増え、輸入もままならなくなりました。

 円安はつまるところ国力の低下を意味します。日本経済新聞がそのコラムで日本のことを「いつの間に後進国になったのか?」と書いたのは今から2年前の春。この約12年に及ぶアベノミクスの「成果」が、いよいよ国民生活に暗い影を落としてしてきたのが今の状況でしょう。円安を直ちに止める有効な手段は残念ながら無く、地道にもう一度失われた国力を引き上げていくしかないのです。

 「政治の長期安定」は、「日本の長期衰退」と表裏一体だった。今やこのことがはっきりしました。利権金権は後を立たず(第二次安倍政権以来、辞任した大臣は14名、与党を離党した国会議員も2桁)、自民党にはますます世襲政治家ばかりが増え、国民の暮らしに寄り添わない政治権力は、今や、そのマイナス面を極大化してきていると言っても過言ではありません。地球沸騰は人類全体の責任ですが、円安は主に日本の政権の責任です(「為替はその国の通知表」と言われる所以です)。政治を変えなければ、この二重の苦しみから脱することはできません。今からでも一人一人が行動を起こしてまいりましょう!

 

たじま要

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