【かなめ日記】「チェルノブイリ視察を終えて2:健康被害について」

掲載日:2011.10.23

小児甲状腺がんについては、国連などの公式な報告書にあるとおり、約6000人の子どもたちが手術を受け、約20人が亡くなっていることが確認できましたが、その他の病気については、これまでに放射能の影響による直接的な因果関係が確認されたものはありませんでした。しかし複数の専門家の話では、白血病や先天的な障害は事故当時の子どもたちを中心に増えている、ということです。ただし、小児甲状腺がんが事故後4、5年過ぎてから増え始めたのに対して、白血病に関しては当時そのような兆候は無く、まさに事故後25年が過ぎた今も注意深く増加をチェックしていかねばならない状況だということです。 これを踏まえて、私が考える、福島でこれからなすべきことは、 1)県民、特に子どもと妊婦の健康チェックを定期的に継続し、病気の兆候が現れたら速やかな対策を講じる。特に、小児甲状腺がんについては、1センチでも転移が起きるということなので、その前に確実に治療する。 2)人の住む場所の徹底的な除染を急ぐ。屋根と裏山の除染がポイント。特に子ども・妊婦、若年者のいるお宅を優先する。 3)事故当時に被ばくをした方々も、今後の累積線量をできるだけ下げることでリスクは小さくできるため、小中学校の学期中のサテライトスクール事業や、学期中や長期休み期間中のスポーツクラブや子ども会単位の合宿・キャンプなど、線量の低い場所での生活時間を増やす施策を推進する。できれば、それぞれの地域で被ばくを抑えるための”目標リフレッシュ日数”なるものを算定・見える化し、その目標数値を教育委員会や地域が連携して達成していく。 4)内部被ばくを防ぎ、暮らしの安心を高めるためには、学校や公民館のような場所に食品のベクレル数値を検査できる体制を拡充する。 5)以上をもってしても家庭の事情で比較的線量の高い地域に長期に過ごすことになる場合には、子ども・妊婦に特に配慮した経済的支援策(自主避難の有無に関わらず)を講じる。 以上ではないかと考えます。

関連記事

記事はありません