【現地本部長日記】「今日の動き」
掲載日:2011.06.05
・明日月曜日に、過去最大バス22台での4町への一時立ち入りを実施。これで、警戒区域内に位置する関係9自治体すべてに関して、すくなくとも一回目の一時立ち入りを終えることに。一時立ち入り希望者の受付は来週日曜日(12日)までだが、現時点でも3万人以上が順番待ち(待ち数は減少に転じた)。いわゆる事故被災者対策の「ロードマップ」では、一時立ち入りの第一巡と乗用車等の持ち出しが、ステップ1(7月中旬目途)で終わる計画であるため、バス50台までの増強でできる限り遅れの出ないよう、体制強化を指示。
・昨日の総務大臣ご同席のもとでの会議で、浪江町の町長から頂いた強い要請は、事故発生直後の12日に10キロ圏外に出て、それからの数日間、県の防災計画に忠実に集団避難をした結果、線量の高い地域で被曝をした可能性のある住民、とくに子供たちに関して、一刻も早くホールボディーカウンターによる内部被曝測定を行ってほしいというもの。避難中の4日間、沢水で炊いたご飯を食べていたとのこと。茨城の独立行政法人JAEAとも連携して、これを速やかに実現できないか検討開始を指示。
・町中で、子供にマスクをつけさせて登校しているお母さん方にヒアリングした。土壌の測定は各戸の庭とか公園も心配、と。どこまで細分化したメッシュでモニタしても十分とは言えず、結局はそれぞれの世帯・個人単位の安心が必要。また人の測定に関しては、まず浪江町の方々、と言われた。地元の方々は実によく情報収集されている。なお、福島の水については、北部の遠方に水源があることを皆良く承知しており、心配をしていない、とも言われた。
・伊達市での住民説明会を開催。伊達市は計画的避難区域の外にありながら、一部地域で線量が高く出ており、引き続きモニタリングを行っていく。
・東電からはタービン建屋内の高レベル汚染水の処理計画をヒアリング(私と同じ時期に新たに現地に着任した宮本常務から)。昨日からアレバ社の装置による通水試験を開始。加えて、セシウム除去装置(米国クリオン社製)の試験も行い、今月15日目途に稼動との報告。これらが稼動すれば、高レベルから低レベルに変えられるため、22日にも満水になると言われる高レベル汚水用タンクの容量の問題がまずは回避される。本格的には、さらに淡水化装置も稼動させ、処理された水を循環冷却に使えるようになれば、汚水増加は止められる。ひとつ懸念は、両者を一体として汚水処理した実績が無いということであり、そのため、フォールバック対策も含めて、再度の説明を求めた。
・現在、福島第一では約2600人が作業を行っている。大変な人数である。熱中症の事例も出始めている。基準を上回る被曝の事例も出ている。改めて、東電に対して、作業者の健康・安全・作業環境に関する報告を求めた。
・一時立ち入りとは別に「公益立ち入り」というのが始まっているが、まだオペレーションがうまく行っていない様子。警察からの報告によれば、警戒区域手前での検問で、大変な渋滞が起きており、避難者からの苦情になっている、とのこと。プロジェクトとして円滑化を進める。
以上です。
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