【現地本部長日記】「赴任一ヶ月を振り返って」
掲載日:2011.07.01
福島に赴任をして早くも一月です。原発事故で一番ご迷惑をお掛けしている福島県の方々の生活の現場で、全力投球をしてきました。簡単に振り返って総括します:
・東電へは、国民代表として毎日質問をぶつけています。聞きたくても殆どの国民は聞くチャネルがありません。私の立場だからこそ、そうした大勢の皆様の代弁者として質問し、できる限りの情報公開を努めました。毎日、いろいろな課題にぶち当たりますが、全般としては徐々に事故収束に向かっていると言えると思います。ただし、それは爆発の可能性の抑制と放射性物質の放出抑制・冷温停止という意味においての収束であり、それ以外、たとえば汚染水処理や地下水・海洋汚染の最小化、土壌汚染の改善、汚泥・がれき処理などの意味ではもっともっと長い時間を要するものと思われます。
・既に降り注いだ放射性物質からの空間線量や土壌汚染については、モニターリングの強化を進めています。それが安心の第一歩です。それとともに、線量の高いところの除染をこれから進めていくことで、「地域の安心」を高めていきます。必要な場合にはホットスポットの指定も追加していきます。
・「人の安心」を高める意味で、ホールボディーカウンターによる内部被曝測定を含めた検査が、千葉県の放射線医学総合研究所と茨城県のJAEAのご協力のもとスタートしました。最初は浪江町、飯舘村、川俣町の方々からですが、順次対象を広げてまいります。
・一時立入りはバス50台体制になり、1万人をようやく終えました。しかし未だに3万人がお待ちです。スピードアップのために色々取り組んではいますが、今のところ需要に追いつけていません。
・ペットの回収は従来、一時立入りの一環としてのみ行ってきましたが、それではいけないと考え、私の指示のもとで、集中的に放浪犬・猫を捕獲するプロジェクトをスタートさせました。7月初旬には具体的な捕獲が始まる予定です。
・「希望の牧場」プロジェクト。こちらは少しまだ調整・根回しが必要です。国の方針としての安楽死処分が掲げられているので、少しやっかいです。課題を一つずつ潰して、実現目指して取り組みます。
・警戒区域内、緊急時避難準備区域内、計画的避難区域のそれぞれに、比較的線量の低い場所があるのは事実です。そうした場所にどう対処していくかは、事故の収束への進展をにらみながら、今後の課題として検討します。
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