【かなめ日記】「ダム事業について」

掲載日:2012.08.08

八ッ場ダムのことが象徴的に語られることの多い我が国のダム事業 ですが、改めて政権交代後の状況を調べてみました。

まず、政権交代後最初の国土交通大臣となった前原氏は、就任早々 にマニフェストに従って「八ッ場ダムの建設工事の中止」を宣言。そしてその後、当時すでに事業として採択はされていたものの、未だ本体工 事には入っていなかった全国84か所のダム建設事業について、改めて検証が行われることになりました。その後、大臣は残念ながら馬淵氏、 大畠氏、前田氏、そして現大臣の羽田氏と頻繁に交代してしまいましたが、この検証作業は今でも継続行われており、今日までに計39ダムの 検証が済み、その結果、14のダム建設を中止にしました。残事業の事業費は約3000億円に上ります。一方、検証の結果、継続となったの が25ダム事業、残事業費は6900億円、そして八ッ場ダムはその25事業の一つであったということです。

マニフェストに中止を謳った八ッ場ダムが予想外の結果となってし まったことに関しては、私も驚き、そして多くの方々を失望もさせましたが、同時に、客観的に同一の判断基準に基づいて全てのダム事業を検 証し直した結果、八ッ場ダムが事業継続と判断された事実は、むしろ政権交代前の民主党の「八ッ場ダム中止」が不十分な調査結果に基づくも のだったと考えるのが自然であり、その点を猛省しなければなりません。しかし他方、そうは言っても、ダムを旧政権時代のペースで作り続け る我が国の政治の在り方に一石を投じ、旧政権時代に建設が認められたダム建設のほぼ三分の一に当たる14事業(約3000億円)が政権交 代後の今日までに中止されたことも、民主党政権下での「ムダの削減」ということとして正当に評価されるべきです。残りのダム検証もさらに スピードアップしなければなりません。

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