【現地本部長日記】「県外避難者への対応」

掲載日:2011.07.28

先日、浪江町の馬場町長がお見えになり、ホールボディーカウンターによる内部被ばく調査の進捗・意見交換を行いましたが、その際に「浪江町の住民が800人以上、新潟県に避難している。ついては東京電力柏崎原発に4台のホールボディーカウンターがあるので、それを使って町民の内部被ばくを検査をして頂けないか。」というご相談を受けました。

県民の健康調査、内部被ばく調査というからには、県内・県外避難を問わず全ての県民に検査を受ける機会が保障されなければなりません。私が着任して最初に着手したこのホールボディーカウンターは、第一段階としては千葉県の放医研と茨城県のJAEAによる検査・測定でスタートしましたが、第二段階としては、全国に避難している方々を視野に入れて、検査場所を面的に拡大することを想定していました。ちなみに福島県から県外への避難者は全国で4万6千人以上、うち新潟県には最大の約7千人が、続いて山形県の約6千人、東京都の約5千人、私の地元の千葉県には約3千人という順番です。

こうしてふるさとから遠く離れた場所で避難生活と続けておられる方々の健康不安に対処するために、可能な限り全国のホールボディーカウンターを活用していきたいと考えています。全国には106台の装置があり、うち49台が電力事業者に、その他が二次・三次医療機関や保健所・研究機関に置かれています。機種によってはセシウムとヨウ素の区別が付かないものがあったり(シンチレーター方式)、また装置はあってもこれまで殆ど使用されておらず、故障していたり技師がいなかったりと、様々課題があるようですが、活用に向けて早急に調査検討を進めたいと思います。

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