【現地本部長日記】「伊達市の取組み」

掲載日:2011.08.02

衆議院の環境委員会のメンバーが福島を訪問されたので、私も加わり、伊達市の除染の取り組みを視察させて頂きました。福島市の北東に隣接する伊達市は、警戒区域などの区域指定は一切受けておりませんが、先月、特定避難勧奨地点に市内の113世帯(104地点)が指定されました。具体的な除染の取り組みが最も早く進んでいる理由には、この指定された地点の指定解除が同市にとっては重要になってくるという側面もあります。

学校のような公共施設に加えて、伊達市は先月、霊山町の3つの個人宅の除染実験を行いました。そのご報告で驚いたのは、3軒の除染に要した作業従事者が3日間の延べで150人だったことです。つまり、一軒を50人掛かりで除染しても丸一日を要するということです。アスファルトやコンクリート部分を、いわゆるブラスト法や電気カンナで1ミリほど削るなどします。確かに空間線量は大幅に落ちるのですが、この所要作業量は現実的ではありません。今後より効率的な除染の方法を試行錯誤しながら確立し、マニュアル化、標準化して、建設業者などへ発注できるようにしていきたい、というのが伊達市の考えです。

いずれにせよ、伊達市の場合、住宅・宅地は14平方キロ。対して、田畑が70平方キロ、山林が102平方キロです。「除染そのものを新たな雇用創出の公共事業として30年かけて取り組む」市長の決意はまさにその通りだと感じました。

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